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よくある質問(FAQ)への答え。

Question:
あなたが「ヘンな人」なのは障害のせいだっていっても、その障害はごく軽いんでしょ。だから、失礼なことを言ったりしたりするのは、ただのわがままだったり、ちょっと個性が強すぎるだけじゃないの?
Answer:
わがままとか、個性的と呼ばれることは多いです。また、事実でもあります。他人の目や周りの雰囲気を感じられないため、どうしても自分本位にふるまってしまいがちなので、自分でも懸命に気をつけるようにしています。

単なる個性派の人々との一番大きな違いは、「好むと好まざるとにかかわらず、否応なくヘンな/迷惑な振る舞いをしてしまう」という点です。私の場合 障害が「軽い」=外見上はとてもわかりづらいからこそ、周囲からは普通(とされる)振る舞いを期待されてしまい、それに失敗するたびに非難されることこそ、辛い部分なのです。

よく「大胆」「勇気がある」などとも言われますが、わざと突飛な言動をしているわけでは決してないんです。むしろ、気づかないままに、とんでもないことをやらかして周囲から浮いていないかと、いつも内心、結構ビクビクしながら暮らしています。

私の場合、アメリカのようにいろいろな文化が共存し、「普通」のl許容範囲が広く、わかりあうためには何でも明確に言葉で表現することが当たり前の国にいる方が、「みんな同じ」で、「以心伝心」や「一を聞いて十を知る」が当たり前とされる日本よりは、暮らしやすいです。
Question:
単に、日本の社会でちゃんとやっていけない人ってだけなんじゃないの?
そんなに生きにくいなら、外国で暮らせばいいのに。
Answer:
自閉症スペクトラム・高機能自閉症・アスペルガー症候群などは外国で発見され、むしろ欧米で研究が進んでいます。日本で暮らしているから大変だ、というわけではありません。他の国の人たちもやはり、同じように生きづらい感じを持っているんです。

それから、私に関して言えば、相方(結婚相手)がたまたま、日本産の地球人なので、目下のところ、日本に住んでいるんです。
Question:
障害を売り物にするなんて、ズルイじゃない。もっと重症の人やその家族にも失礼でしょう。
Answer:
私は、アスペルガー症候群を自分の個性の一部として認識しています。ですから、それについて本を書くことは、別にズルイとか、恥ずかしいとは思っていません。

もし、私の書いたものが、アスペルガーなどの自閉症スペクトラムを持つ人について、世の中の関心を高めるきっかけになったり、自分と同じような生きづらさを感じている人たちが、少しでも楽に生きられるようになったり、社会から理解されやすくなったりする、ちょっとしたきっかけになってくれるなら…とは願っています。けれども、本を書くことが、「障害を売り物にしている行為」だとは思いません。

また、自閉症スペクトラムを持つ人の能力には非常に個人差があり、一人の人の中でも、できること、できないことが複雑に混在している、「アンバランスさ」がよく見られます。ですから、簡単に「重症の人」「軽度の人」と線引きをすることはできません。

一見どこに不具合があるのかわかりづらい「軽度」「高機能」と呼ばれている人ほど、周囲からは「人並みに仕事(や学校生活など)をこなせること」を期待されてしまい、苦しい思いをしていることが、非常に多いのです。

私は直接人と対面して仕事をするのが難しいので、これからも、パソコンに向かってものを書いたり、翻訳をしたりといった形で、何とか社会と自分なりの形でかかわって、生きていきたいと思っています。
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